矢野りんさんと確認する!
「WEBデザインメソッド」セミナー開催!
デザインに関する著書や講演で絶大な人気を誇るデザイナー/ライターの矢野りんさん。 |
「Webにおけるビジュアルデザイン
の位置づけ」「配色」「レイアウト」「フォント」など盛りだくさんの内容について、エクササイズを通じてデザイン実務の実践活用法を語っていただきました。
「WEBデザインメソッド 伝わるコンテンツのための理論と実践」
http://www.wgn.co.jp/store/dat/3141/
■まずはエクササイズ! 冒頭でまず「エクササイズ」としてセミナー参加者に出されたお題は、例として挙げられた実際の企業Webサイトのデザインを元に、「クリエイティブ ディレクターとして、そのデザインの特徴を3つ挙げ、プレゼンテーションする」というもの。最初に5分間のシンキングタイムが与えられた後、隣の参加者と 意見交換の時間が取られました。 | |
■「理論武装」しましょう
デザインについて説明する時、デザイナーは主観的で感情的な表現をしてしまいがちで、意図を他人に伝えることが難しい。最初のエクササイズは、その難しさを考え、また実際に隣の人とコミュニケーションを取ることで実感するとともに、他者の視点によって広い視野を得られるものでした。
矢野さんは、デザインのセオリーで「理論武装」することで、説明に説得力を持たせることができることを実演してくださった上で、「デザインの必然性をクライアントに説得力のある言葉で説明する力は、自分の提案をクライアントにひっくり返されて作業を増やしてしまわないためにも必要。説明は苦手、という人も多いと思うけれど、ここでひと踏ん張りして理論武装しておきましょう」とのことです。
■ビジュアルデザイン・配色・レイアウト・文字
ビジュアルデザインは、戦略や目的、情報構造といった基盤に下支えされていることを意識することが必要で、ビジュアルの工夫だけではサイトの質は向上しないと話し、「デザイナーの2大『無理』」として、「とりあえずトップのデザイン3パターン起こして。素材はアタリで」「(公開3日前に)やっぱり色、変えようか」と、2つの無茶な指示を例示。笑い話のようですが、よくある話のようで、会場には大きくうなずかれる「経験者」も多くいらっしゃった模様です。
配色のセオリーとしては、色の属性、色空間、色相環といった、目にすることはあるものの上手く使いこなせていない人が多い概念について、具体的なツールの紹介と共に、代表的なカラースキームを元に配色の実例を見せていただきました。レイアウトについては、グリッドによるレイアウト、黄金比などを用いた手法の紹介。文字については、打ちっ放しにしないで、少し手を加えて整えてあげることで、素人っぽいデザインから脱却しましょうとのお話でした。
| ■まとめ 最後は「直感で試行錯誤するよりも、セオリーに従って組み立てていくことで、早くイメージをまとめることができます」と締めくくられた 後、改めて「エクササイズのおさらい」が行われました。デザインからセオリーを見つけ、言葉で説明する作業をもう一度実際に行うことで、セミナーで知識を 詰め込むだけではなく、自分の言葉に置き換えて消化するためのエクササイズ。 |
矢野さんからは「知っておくと便利な基本的テクニック・キーワードを確認しま した。まずこれらを押さえて、ここから少しずつ知識を増やしていってください」とのメッセージ。100名を超える参加者からの大きな拍手でセミナーは終了 しました。
セミナー終了後は、書籍を買われた方々がサインを求めて矢野さんの前に列をなす姿が見られ、充実したセミナー内容と共に、その人気の高さを再認識しました。参加したデジタルハリウッド受講生も強く刺激を受けたようで、後日、参加できなかったクラスメイトに熱く語る姿が見られました。デジタルハリウッドでは今後も、クリエイターに役立つセミナーや情報を提供していきますので、どうぞご期待ください。