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Web,映像,ありとあらゆるデジタルメディアの未来を語る
テクニカルエバンジェリズム 12月2日開催!

Kei デジタルハリウッドだからこそ、啓蒙していく義務がある。
~メディアリテラシーと未来予想図~
12月2日、渋谷校にて、全ての業界に通じるセミナー「テクニカルエバンジェリズム~業界未来予想図」が開催されました。

 「クリエイティブはどうなるのか?」
 「デジタルメディアはどうなるのか?」

 Web、CG、デジタルメディアの変遷の波は、今後も大きくうねり続けます。
 デジタルハリウッドで長年に渡り、業界の変遷を見続けてきた和田圭介が、これまでのデジタルメディアの変遷と今後の動向を熱く語りました!

 <セミナー概要>
 ・クリエイティブ環境の変遷
 ・今後5年のメディアリテラシー
 ・今知っておかなければいけない業界の変遷
 ・情報に振り回されるな。~情報の発信と受信のあり方~
 ・Webはどこへ進んでいくのか
 ・Googleに代表されるIT業界の未来は?

 このブログの続きで、当日のトークを大公開!

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-唐突ですが、和田さんのコンピューターとの出会いは?デジタルハリウッドとの出会いは何だったのでしょう?

和田:当時の人からすれば、コンピューターデビューは遅いほうでした。
もともと、建築を勉強しており、最初はCADを使っていました。
その中で3Dの世界に少し触れたのですが、自分のやりたいことを表現するには、まだまだコンピューターのスペックがついてきませんでした。

 そのころ、絵としての表現をするだけのために、初めてMac にも触れました。Macといえば当時は高くてかっこよくて、すごく憧れていたのを覚えています。今も見た目のカッコよさでパソコンを買う人いるとおもいますけど最近は圧倒的に安いですね。

 デジタルハリウッドのことを知ったのは卒業して建築設計の仕事をしているころでした。そのころおんなじようなことをやっている学校は無く、CGやデザインを勉強したいな・・・と思った人全てがここに殺到していましたね。

 その時、体験セミナーを受けたかったんですけど、何と体験セミナーが3ヶ月待ちと言う盛況ぶり。びっくりしましたね。

-その時代、和田さんは何のためにコンピューターを買ったのですか?

和田:当時、コンピューターで何をするかと言えば、CGか音楽が主流でした。特にCGと言えばゲームが流行ってましたね。PSの発売当時で、見たこともない3Dのグラフィックが出てきてるころでした。丁度、CD-ROM(死後?)が流行し、なにかと企業紹介やら、雑誌のおまけやらでCD-ROMがついてた頃でした。CD-ROMゲームもけっこう発売されてましたね。

音楽では、DTMがはやってましたが、当時はかなり貧弱な割には機材がめちゃくちゃ高くて・・・とにかく、エンターテインメント関連の用途がかなり目立っていました

 その中で僕は「音楽」が作りたいと思ってパソコンを買いました。当時マックは非常に高額でしたが、親を説得して、半額融資してもらいました(笑)。

-当時から比べてもだいぶ進化してきましたよね・・・

和田:そうですね。
インターネットなんか当時はまだまだ現実的じゃなくて、ほんとに仕事になるのかな?なんて半信半疑でした。

 インターネットは、とにかくつなぐ事自体が凄い事で「僕の家、インターネットつながってるんだ。」と言うだけで友達が遊びに来ましたからね(笑)。「インターネットをつなげる本」と言うだけで厚さ5cmくらいしてました。当時は課金制で、夜11時以降のテレホーダイの時間を待って一斉に繋ぎ、時間が終わると切断、と言う時代でしたね。そんな状況だから、ビジネスに使うなんて夢のまた夢。
 当時、僕がギターを弾いていて、海外のサイトから楽譜を2枚落とすのに、2日掛かりました(笑)。テレホタイムを思いっきり使ってね。
 そんな時代だから、当時の杉山学校長が、「インターネットで映画が配信されるようになる」なんて言っても「まさか」としか思えませんでした。…現実は、見ての通りですよね。

-マシンもどんどん性能が上がって、安くなりましたよね。

和田:マシンスペックなんて信じられないくらい変わりましたよ

 当時は1Gのハードディスクなんて、何が入るんだ!?もう一生困らない!と思ってました。メモリも32MBで充分でしたし。容量的なものも劇的に変わりましたが、安定感もぜんぜん違いますね。当時は、今とは比較にならないほどマシンがフリーズしまくってました。クリエイティブワークをする前にコンピューターとの対話というか、コンピュータとだましあいをしていた感じでしたね。

-これからクリエイターや、デジタルコンテンツの制作にかかわる人たちはどういうことに意識していくべきなのでしょう?

和田:コンピューターは飛躍的に進化し触れている人も圧倒的に多くなってきた今、コンピューターが使えても何のアドバンテージもなくなってきていますね。

 当時の求人と言えば、フォトショップが使えるとかCGができるとかだけで、就職ができていたんだけど、ある時期から少し変化があったように感じます。

 デジタルハリウッドに入社した時は、僕も全く何も知識がありませんでした。毎日夜中まで勉強して、一夜漬けの知識と技術で働いてましたが、知ってるだけでかなり仕事はできるように見えたと思います。当時はそんなに覚えることも少なかったんだと思います。HTMLとか初めて言葉を聞いた次の日に仕事につかってましたよ。(相当、素人くさいコードでしたけどね)

-求人の変化はどうでしょう?

和田:すべての業界がデジタルの技術を必要とし始めた感じでしょうかね。以前は、コンピュータスキル/クリエイティブスキルは一部の企業のためだけのものだったのでしょうが、今は全ての職場に浸透していますからね。一部の特定企業への入社のためじゃなくて、全てに必要なリテラシーになったんだと思います。

-デジタルハリウッドの描いていた未来ですね。

和田:そうですね。先ほどの「インターネットで映画が見られる」と言うのもそうですが、生活全てに、ものすごいスピードでデジタルメディアが入ってきました。5年前まで、郵送、Faxで行っていたものが、今はメールやネットを使ってますし、顧客管理もWeb上のシステムだったりしますし…。今までは「最先端で、異端」なメディアに触れるという意識でWebやCGに携わっていた人たちも、今は読み書きそろばんと同じ位置づけで触れるようになって来ました。これからCGやWebを学ぶ理由も当時とは全然違いますね。
 特に求人に関しては特徴があります。オペレーターも増えてきてWebデザイナーも飽和状態で、とデジタルメディアを使える人は沢山増えてきた。なのに、求人募集はどんどん増え続けている。今の求人の状況はおかしいですね。

-それは一体何故なのでしょう?

和田:現場に求めるものが厳しくなってるからだと思います。ソフト自体が行える事はどんどん手軽で、ハイスピードになっていきますが、その分数多くの成果からハイクオリティなものを選んだり、作業をする前のヘッドワークに割ける時間が増えた分、要求されるスピードやクオリティのハードルが高くなっているのです。オペレーションで働く人は条件的にも厳しくなってくると思うし、ソフトウェアの進化から求められるものはどんどん大きくなっていくと思います。

 そのため、プラスアルファの知識や技術をもっていることが最近の求人のトレンドになってきていますね。ディレクションなんかは引っ張りだこです。現場をまとめる力が非常に求められてきますね。逆にディレクションができない人であれば、特殊技術や専門性(スペシャリスト)が必須になってきているんだと思います。

-映像業界はどうでしょう?

和田:映像業界はもっと大きな過渡期を迎えています。60年以上の歴史の有る業界が、デジタル放送やノンリニアの波に押されて、新たなワークフローを模索し始めましたからね。これはビジネスチャンスの宝庫ですよ。新しいビジネスやフローに目を向けて、変化していける人材が必要になっています。

-コンテンツ業界自体が盛り上がってクリエイターの人も変わってきていますね。

和田:そうそう、自宅でも簡単に仕事ができるし、様々なところで同じような動向がおきているイメージがありますね。特に価値観に関する常識が変わってきています。今まで三百万円もらっていた仕事を三十万でこなす人が現れたりとか・・・クリエイターとしては1円でも1000万円でも制作する内容は変わりません。値をつけるのは自分自身なんですよね。技術を売る仕事は、自分の価値を常に見つめていないと安売りになってしまいます。周りが安売りし、それに追随して安売りを繰り返していくと…気がつくと業界自体が崩壊してしまうんじゃないかという危機感も感じますね。

-自分の価値をしっかり認識し、更に業界全体を考えて行動すると言う事ですね。デジタルハリウッドの在校生には、そういうことも学んでもらいたいですね。

和田:そうですね。業界ニーズに追いつくための勉強じゃなくて、業界のニーズを作り出していく勉強をしていってもらいたいと願っています。そのために大事な事は2点あります。特に、現在のような情報があまりにも多く入手できる状況では

・知識の量は重要ではなく、どこに情報があるのか?を把握できる力が必要。
・見抜く力⇒想像力と応用力

 が必要です。

-情報に関しては、インターネットで用足りる事も多いですね。

和田:そうですね。しかし、インターネットにある情報は嘘や誤りも多いです。だから、正しい情報がなんなのか見抜く力は本当に重要です。逆に、正しいのを選ぶときに情報を切り捨てる能力が必要になってきたと思います。

 それから、ネットを見る人のスタイルもかわって来ましたね。携帯電話で見ている人、テレビを使う人…PCでインターネットを見ている人の割合は減っています。電子レンジだってネットにつながってる時代ですよ。電子レンジがオートでレシピをダウンロードして、料理にぴったりの調理法を常に更新し続けている…それが今の世の中です。

 まだまだ、ビジネスの現場に居る人たちは「Webはブラウザで見るものだ」と言う意識が強いですが、これがどんどん変わっていくと思います。WiiやiPodをはじめ、様々な端末がWebと絡んで新たな動きを見せていますからね。

-デジタルハリウッドの受講生に必要なことは?

和田:プロ意識ですね。プロ意識と言っても、尊大に構える事じゃなく、謙虚になる事です。自分の持ってない知識には敬意を持って接し、知ってることは惜しみなく伝えていく、と言った…。学校を卒業して、実際の現場から学ぶことは多いです。学校で身に付けたことをしっかり消化して、現場に行っても学ぶ姿勢を持っていてもらいたいですね。そして、常に新しいものを提案していくことが重要ですね。
 あたまをスポンジに!吸収力を強めていきましょう!

-本日はありがとうございました。

(ナビゲーター:渋谷校 山本 輔)

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