皆さん、こんにちは。教員の小倉イサクです。本日のブログは、今週の火曜日に催された『近未来教育フォーラム』に関してです。
簡単に紹介すると、『企業や教育関係の皆様に、デジタルコミュニケーション時代に対応した私どもの実践的な教育研究の取り組みについて発表致しますので、意見交換なども行いながら、今後の教育に関して考えていきましょう』というフォーラムです。
昼の13時から夕方の18時まで、基調講演から始まり、プロデュース能力開発、電子書籍、iPadによる教育、デザインからツブヤキにいたるまで、非常に濃い内容が各セッションで行われました。それぞれが、現状や取り組み内容、発表や展望を述べて行くので、あっという間にセッションの時間が過ぎるというのがその日の印象です。
その中でも、基調講演に関しての概要と私見を本日は書いてみます(長い前振り、ゴメンナサイ)。
この講演は、産学官の代表として、本学の杉山学長、文部科学省大臣 伊藤官房企画官、ソフトブレインの宋さん、という顔ぶれで各々の立場から『教育』に関しての様々な意見を忌憚なく仰って頂くというものです。いくつかの、議題があったのですが特に気になる話が2つありました。
一つ目は『留学生』に関してです。国の目標として30万人の留学生受け入れ計画を掲げた結果、どうなったのか?数値だけが一人歩きしていないか?日本に来てもらう魅力があるのか?その魅力としてのクールジャパンは各国に伝わっているのか?等々が大筋でした。
現場レベルで、書きます。
『成功とは決して言えない』。
異文化に接する事は、非常に良い事ですが、日本人は日本人同士で、中国人は中国人同士で、その他の国もそれぞれの枠内で、、。と、うまく噛み合ないというのが現実です。これを解消する為に、様々な施策をしていますが、正直、まだまだこれからです。クールジャパンに関しても、結局は「マンガとアニメ」が本流で、ファッションやカワイイや伝統芸能、匠の技に関しては、まだ伝わり切れていないという残念な感じもします。その結果、留学生のほとんどが『アニメやマンガが好きで勉強したい』という事を言います。もっともっと、この点に関しても理解してもらう様な事をしないといけないのでは?と考えてしまいます。
二つ目は『日本人学生』に関してです。大学教育では『ゆとり世代による空白の10年の始まり』だと思いますし、彼らを『バブル崩壊後の閉鎖的日本の生活に慣れ切った若い世代』という風な事も考えます。つまり、彼ら学生の『やる気』がないのではなく、『環境』が問題だったと言う事です。では、この現状を放っておいていいのか?というと、そんな訳にもいきません。そこで、「海外へ出て行く留学」のススメに関する事が議論されました。
僕の意見は、
『全く異論ナシです。是非、行って下さい。異文化を知って下さい』。
です。
帰国した学生は、必ず、一回りも二回りも大きくなっています。なぜか?その答えは環境です。当然、生活や学業や、友人関係、、、などなどの様々なトラブルに巻き込まれる日々が続きます。その度ごとに、人間はそれを乗り越え大きくなるのは自明の理です。このゆる〜い日本での生活ではなく、海外での生活に揉まれて人間力を大きくするのはスゴくいい事です。いっその事、海外留学を必須にしたいくらいです。(その他のツブヤキ議事録(笑笑)は、当日のハッシュタグ#DHWEFをご覧下さい)。
教育は国家百年の計と言われますが、国の教育に対する姿勢だけではなく、学校でも会社でも人材の育成には重大な関心が有り、大変な苦労や労力を割いている様子がヒシヒシと伝わる1日でした。すぐに答えが出ないから百年の計なんでしょうけど、そんな悠長な事も言ってられない現実で、僕たちを含め、日々の積み重ねと改善と、経験が少しづつ前へ前へと歩んで行くんだと思います。
最後に、来場された皆様に御礼を。ありがとうございました!
小倉イサク