みなさん、こんにちは。講師の小倉イサクです。今回は、デジタルハリウッド卒業生でもあり、現在は「シュレック」「カンフーパンダ」の制作でお馴染みのアニメーションスタジオ「ドリームワークス」で働く原島さんのセミナーに関してです。会場に足を運べなかった方も、いらっしゃった方も、ご一読を!!
今週の月曜日に、お忙しい合間をぬって来校してもらった原島さんはドリームワークスでアニメーターをされています。1997年にデジハリに入学しCGを勉強され、1999年のSIGGRAPH Electoronic Theaterに入選するという快挙を成しとげました。本学を卒業して、しばらくしてから渡米、現地の美術系大学院に入学しました。そこではPIXARの現役クリエイターが直接指導するクラスを受講し、無事そこでも卒業した後、現在の会社(ドリームワークス)で働くようになりました。今まで関わった映画は『ビームービー』『マダガスカル』『ヒックとドラゴン』『メガマインド』です。現在は、来年公開予定の『マダガスカル3』を制作中とのことでした。
先ず、最初はドリームワークスで働くまでの道のりを話してもらいました。9.11があった直後に渡米した事、ビザの問題、アニメーションの基礎をアメリカの大学院で勉強しなおした事、お金の事、英語の事、、、と様々な苦労をされたそうです。それでも、自分のやりたい事を貫いた結果、世界に配給する映画の制作に携われるようになったのは本当にスゴいですし、脱帽です。。。次にアメリカでの仕事のスタイル話です。基本、1人で1ショット単位でアニメーションを任されるそうです。それを朝と夕方に、リードの人や監督にアニメーションのチェックをしてもらい仕事を進めるとのこと。(群衆は別の方々が行うそうですが)もしもそのショットに複数のキャラが出てきたら、全員分のアニメをつけます。ちょっと面白かったのは、『ヒックとドラゴン』の話でした。ドラゴンを動かす為のリグ(キャラを動かすパラメーター)が200以上もあったらしいです。ドリームワークスでは、この様な特殊なキャラの場合はリグの説明会(セミナーの様なもの)が行われてから作業に入るそうです。ところが、原島さんの場合、それまで人間型のキャラばかり動かしていたので、急にドラゴンが登場するショットを与えられて『(セミナーは数ヶ月も前だったので)うわぁ~、動かし方を忘れちゃったよ!www』ということがあったそうです。実は、この講演の後に原島さんがアニメーションを着けた箇所を細かく見せてもらったのですが、非常に面白かったです。
最後に、学生の方々に向けてアドバイスを頂きました。『アニメーターになるとか、CGの制作をするというのは目先の目標です。もっと、もっと先の目標を設定し、その為にはどうするかを考えるようにして下さい』との事でした。現状、日本では就職が大変ということをひしひしと感じている学生の皆さんにとっては目の前の就職でいっぱいいっぱいです。実はそうではなく、その先を考えて!と言われて、目から鱗が落ちた学生も多々いたのでは?又、聴講していた学生の皆さんの中には、将来ハリウッドで働きたいと考えている人もいた様で、原島さんの話を自身に置き換えて『一筋縄ではいかない』事を痛感したけれど、それ以上に自分のやりたい事を求める大切さというのも感じたのかなと思います。
イサク
PS
先週、聖学院高校にて模擬授業を行いました。引っ込み思案の生徒が多そうな予想でしたが、皆さんがちゃんと質問に受け答えしてくれるので、非常に楽しい授業でした。