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「レンタルブック」の制度が正式スタート!

こんにちは、デジタルハリウッド大学院大阪サテライトキャンパスの川合です。

例えば音楽CDを、買う余裕はないけど借りて聞きたいなー、と思ったら、
TUTAYAなどのレンタル店で借りて聞くことが出来ますよね。
皆が買わずに済ませちゃってたら、ミュージシャンなど音楽関係者は
お金がもらえないのかというと、そんなことはなくて。

現行の著作権には「貸与権」という権利が規定されていて、それらによって
音楽レンタル業者はレコード業者に許諾料を支払う取り決めがなされています。
ちなみに映画などの映像モノのレンタルは、同様に「頒布権」というもので
守られ、取り決めがなされています。

このように音楽・映像のレンタルが、著作権者の利益に配慮されているのに対し、
書籍のレンタルについては「書籍等の貸与についての経過措置」という形で、
問題が先送りにされていました。貸し本屋さんなどで書籍がいくら貸し出されても、
その著作権者は利益が得られなかったのです。利益が得られないどころか、
借りる人の分、売り上げが下がると考えれば、損をしてきたわけです。

書籍の権利が保留にされていたのは、音楽や映像ほどもコピーによる害が
小さかったことや、料金徴収と配分を円滑に行えるような大きな組織が
存在しなかったことなど、それなりの理由もありました。

で、ここで表題の件にやっとたどり着くわけですが、ようやく制度が整い、
この12月から正式に「レンタルブック」の仕組みがスタートすることになりました。

小説家や漫画家、写真家などの著作権者と出版社で運営する有限責任中間法人
「出版物貸与権管理センター」(略称:RRAC=レラック)が運用にあたります。

このことで書籍の権利にまつわる問題が万事解決するわけではありませんが、
著作権者や出版業界にとっては大きな前進といえるでしょう。

コンテンツと権利・法整備の問題は、今後も尽きることなく常々存在するでしょうが、
私たち皆、コンテンツを制作する人も享受する人も、十分に意識することが大切ですね。

余談になりますが、今回のブログを書く際に、著作権や貸与権、レンタルの歴史などを
ウェブで調べました。そこで音楽についての貸与権が施行されたのが84年と知り
「ごく最近のことなんだー」と感じたのですが、「20年以上も前」との記述を見て、
微妙なショックを受けました・・・

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