皆さんこんにちは。講師の小倉イサクです。今日のブログは、先週末に中国の清華大学(http://www.tsinghua.edu.cn/)で開催されたシンポジウムに関しての報告です。
ちょっと、長文ゴメンナサイ!
さかのぼる事、約一ヶ月前、、。尖閣諸島の「せ」の字も話題にならない時期に中国の清華大学のサイ教授の姪ッ子さん(本学大学院生)から、シンポジウムのゲストスピーカーを頼まれました。清華大学を早速wiki(http://ja.wikipedia.org/wiki/清華大学)したところ、とんでもない有名校だと知り、そんな所で僕が何をしゃべるのか?と不思議に思っていると正式な招待レターが来て、I.C.A.E(International Conference on Animation Education)という会議でアニメーションの教育に関してのスピーチを依頼する旨でした。それに、本学も中国からの留学生が多い事から、一度くらいは中国へ行くのも良いかなと思い、講演することにしました。
が、しかし!釣り船衝突問題から始まった一連の尖閣諸島に関してのニュースを見て、初の中国でもあるし非常におっかなびっくりで行く事になり、正直、何が起こるのかとドキドキしながらの機内でした。ですが、行ってみるとなんのことはなく、スゴく普通の滞在だったのは『マスコミの騒ぎすぎ』だったのでしょう。因に中国での反日運動とその暴動に関しても帰国後に知ったほどです。それと、Internet環境は、TwitterはWifiからはつながらず、iPhoneからツブヤイていました。Yahoo Japanはつながったんですけど、、。これが、中国のファイヤーウォールか!と実感しました。
さて、実際のシンポジウムですが3日間の非常に興味深いカンファレンスでした。中国のアニメ業界に関しての苦言や提言あり、台湾の有名な漫画家(アニメーター)の方は『中国の伝統を表現しなさい』という若者に向けての叱咤激励であり、アメリカの大学からは『アニメーションに関しての現在、過去、未来』の話だったり、テレビアニメのプロデューサーの方は『世界で売る為のコンテンツ』という主旨でありと、非常にバラエティーに富んでいました。
僕の講演内容は『デジタルハリウッドに於ける3DCG教育手法』と、題しましての講演です。卒業制作をいくつか見せながら、どういう制作行程で行ったのかを具体的な日数で説明したり、その制作指導に関してのワンポイントアドバイス例を上げたりと、具体的な手法に関しての説明です。また、これからCGアニメーションを制作する大学生へ向けて『映像はコミュニケーションの為の道具です』という事や、『作りたいものを作る事の楽しさ』を説明しました。公演後には握手やサインを求められたりと、現地の学生には通じた感じがしました(写真は、講演記念の「僕の手形」です。学校に飾るそうです!!恥ずかしい、、)。
中国では、アニメーションを未だ「事業」と捉えている方が多く、「産業」にはなっていないという実情があるそうです。又、日本の手塚治虫先生や宮崎駿監督の様な「アニメを牽引する人」が居なかったせいで、文化としても発展途上だと仰っていました。彼ら自身、「面白いコンテンツが出来ない事」に危機感があるそうです。その点、日本ではジャパニメーションだったり、押井守監督や庵野監督などの次の世代も生まれており、ヲタク文化も浸透したり、宗教や文化のタブーもありません。日本とは、まさに、コンテンツを制作する上で、『非常に整った環境』なのです。
この「スゴく当たり前の環境」を「至極普通」に感じていませんか?実は、違うのです。学生の皆さんも、この恵まれた環境を享受するだけではなく、是非とも『コンテンツ制作』という側に立って、物作りをしてみませんか?
最後に、私をご招待して頂いたサイ先生と通訳の中山さんに感謝の意を。非常に楽しかった3泊4日、ありがとうございました。
イサク