みなさん、こんにちは。講師の小倉イサクです。実は、デジハリでセミナーをやってもうのは2回目という稲垣さんが来日していたので、約2年ぶりのセミナーをしていただきました。海外で働く為の方法や、現在のお仕事の内容等の興味深い話を、来れなかった皆さんに御伝えします。
彼は、某大学の情報科の大学院卒のプログラマーでしたが、学生時代にLightwaveに興味を持ったコトがきっかけで、デジタルハリウッドに入学しました。卒業後は、僕が紹介したフリーの仕事を数年続けつつ、海外にも興味があったので英語の勉強をしながら、虎視眈々とその機会を狙っていたそうです。しかし、日本で実績があってもビザの問題で直ぐにハリウッドで働ける訳でもないので、先ずは北米のCGの学校を探しました。SIGGRAPHにも何回か足を運んでみたり、サイトで調べたりした結果Savannah College of Art and Designという学校に入学されました。この学校はジョージア州という日本人があまり居ない場所にあったせいもあり、英語の技術が磨かれたそうです。また、彼は在学中にリグ(キャラクターに骨を埋めて動かしやすくする技術)に興味を持ったので、元々持っていたプログラミングの技術を生かし、その専門家になったそうです。その後、Dreamworksからリグの専門家がインターンを募集しに来ていた縁もあって、今の仕事に就いたとおっしゃっていました。
後半は、Dreamworksの話をしてもらいました。今、5~6本の映画の制作が同時進行で走っているそうです。その中で、彼の仕事のリグという作業は映画制作の最初の方になります。というのも、制作行程ではキャラクターのデザインが決まって、モデリングが終わったら行う仕事だからです。ですから、かなり先に公開する映画の仕事をされているそうです。直近でさえも、『長靴をはいたネコ』のDVD&BDの特典映像の中のキャラクターにリグを仕込んだ仕事なので、日本では2012年の秋くらいでしょうか?また、彼の仕事はキャラクターモデラーとのやりとり(動かしたい部分にポリゴンが足りない時には、モデリングの修正依頼)や、アニメーターとのやりとり(アニメーターが動かす時に、別の設定が必要な場合の依頼等)があるそうです。それと、Dreamworksでは1体のキャラクターに3人の方(髪の毛や衣類等の設定をするスタッフ、表情の設定をするスタッフ、体全体の設定をするスタッフ)が設定するというのも、特徴だと思います。分業制が、非常に浸透しているという事ですね。来年も年明け早々からお忙しいとのコトでしたが、頑張っていただきたいです。来年のSiggraphはLAなので、再会を約束して終わりになりました。
最後に、今週末のクリスマス記念として大じゃんけん大会を行いました。稲垣さんが、こんなにもお土産を持ってきていただいたのです!!LAのDreamworksでしか買えない物ばかり!ありがとうございました。
イサク
PS
『家政婦のミタ』を観ましたか?驚愕の40%越えという最終回の視聴率は圧巻でしたね。テレビを見ない時代と言われていたご時世に、この数字をたたき出した本作品に敬意を評したいです。また、この数値を見てテレビドラマの可能性を感じて良い物を制作しようとするのか?あくまでも例外として、今まで通りのやり方(アイドルや人気者を主役に置いたり、原作が売れてるからドラマにするといった悪癖)でいくのか?は、2012年のドラマを観て行く上で重要なポイントになりそうですね。