多分、参加された皆さんが最も驚いた事が全編にわたるCG側でのコンポジットです。ピクサーやドリームワークス作品などのフル3DCGならば当たり前ですが、2Dアニメーションが基本の本作に於いても、素材の合成と仕上げをデジタルフロンティアさんが行ったそうです。美術背景、キャラクター、3DCGを細田監督とCGディレクターの堀部さんの指揮の下で素材合成、色調整、明るさ調整、コントラスト調整、アウトライン調整、ぼかし調整(被写界深度含め)、仕上げ・・・を行った仕事量は本当に多かったそうです。
又、技術的に興味深かった事が「風」の表現です。風と言っても、空気の塊で目には見えませんからどのように表現するのか?大変だったとの事。具体的に、何を行ったかというと草木や草原、湖の表面、カーテン・・・を「風」によって動かす事をしたそうですが、非常に大変だったそうです。皆さんも、過去にご覧になったことのある2Dアニメ映画を思い出して下さい。1本や2本の草花が動くのは見た事があるかと思いますが、美術背景(手描きで描いた美しい背景)が動いている作品をみたことがありますか?多分、無いでしょう。通常は、美術背景は「動かせない」のです。動く場合は、作画(手で描く色数の少ないモノ)で表現するのが普通なのに、それを覆した作品としてCG映画の技術史に残るのでは?と思いました。
以前、スタジオジブリの三好さんにも映画のメイキングセミナーをして頂きましたが共通しているのは「手描きになじませる」ということですね。
今回、登壇して頂いた堀部さんと元生さんは、デジタルハリウッドの卒業生です。(本作以外にも)初期の卒業生が、本当にコアメンバーとして参加している話を聞くと非常に嬉しいですし、在校生の目標となるかと思います。在校生の皆さん、頑張って下さい!細田監督と仕事をするのは夢ではなく、数年後の未来です!また、本学を希望されている入学検討者の皆さん、本当にこの様な仕事をしたいのならば、是非、一緒に勉強しませんか?待ってます!!また、アニメを仕事にしたい方は、これから3DCGの技術ナシではやっていけないと、感じたかと思います。この機会に、スクール(社会人向け)にもお越し下さい〜。
いさく