こんにちは。教員の高橋です。
突如発生した台風が前日に関東をわたり、直撃は避けながらも日曜の昼は曇り空の中、大学院での授業「プロデュース原論」は今回で最終回の授業でした。
最終回のゲストは、ローリングストーンズ、マイケル・ジャクソン、マドンナ、U2ら大物外タレからM・タイソン、NFL、NBAなど国際スポーツ興行の招聘交渉を手掛けてきた伝説的来日仕掛人で、ソニー執行役員米国本社エグゼクティブ・バイス・プレジデント、日本テレビ放送網国際局顧問、TBSメディア総研社長、東京ドーム取締役、国際テレビ・アカデミー財団理事、インディアナ大学テレコミュニケーション学部教授など、四半世紀に渡り世界を股にかけ、多岐多様な経歴を持つ、現在ワシントン州立大学メディア経営学教授、金沢工業大学虎ノ門大学教授と国際的に活躍されている北谷賢司先生をゲスト講師としてお迎えし、「国際市場で通用するコンテンツ・プロデューサーの資質と資格」というテーマで講演頂きました。
北谷先生と私は、私がぴあ総合研究所の研究員を努め、北谷先生はぴあの顧問という縁で繋がった間柄です。
北谷先生の話は、非常に斬新で国際的なプロデューサーでしか話すこと、知りうることの出来ない話が満載でした。
日本のコンテンツ産業が海外市場進出のために必要とするプロデューサーの要件として、英語能力に触れ、
①話せるだけでは不可であり、脚本、契約書が英語で読め、説明できなければ土俵に上れない、
②著作権等、知的財産権の知識を有すること基礎知識を相手と同レベルに
③最低限、特殊なソフト業界の会計の仕組みを理解できること
などを上げられました。
また、プロデューサーの要件の5つ目として最も重要な素質とは
①点と点を結びつける能力
②ユダヤ文化の把握
③業界同化能力の高さ
④配偶者の社交性らしく振舞える最低限の資金アクセス
⑤歴史、文化とトレンドの知識
⑥機転とジョークのノウハウ
など、ユダヤ文化の把握などはこれまでのプロデューサー本でもほとんど触れていなかった内容ですばらしく、院生も終始圧倒された講演でした。
北谷先生と私のやり取りでは、プロデューサーの要件を持ち合わせた人材は日本人では現在ほぼおらず、幼年時からの英才教育が必要なのではという議論にまで話は高まりました。
北谷先生は英才教育はある部分必要とおっしゃっており、日本では国際的な人材について特にコンテンツ分野に危機感が無いことに対しても危惧を感じられているようでした。
豊富かつ貴重な体験を基に、エンタテインメント・ビジネスの真髄に迫った濃厚な90分!
その後、最終授業ということで一部の院生と交流会。色々な話に花を咲かせました。
この半年、皆さんお疲れ様でした。
ただ、最終課題はこれからですのでくれぐれも忘れないように。
プロデューサーとは何者か?
この答えが各院生に備わったと信じて、この授業を終了したいと思います。