2010/12/01

多忙だった一週間

こんにちは。教員の高橋です。
今回は、前回報告した公開講座の模様など、ほぼ一週間の活動報告をしたいと思います。

まずは、11月24日専門スクールで行われた
アカデミー賞アニメーション部門ノミネート作品 映画『The Secret of Kells』
特別試写会&トークショーの報告です。
アカデミー賞にノミネートされたという事実は、非常に優れた作品であることはいうまでもないと思います。
今回は、アイルランド大使館からの依頼で公開講座を開催しました。
この作品は、キャラクターも、ストーリーもアイルランドの文化や宗教観を大いに含んだ作品です。
ストーリーを例えるならば、「ロードオブザリング」「もののけ姫」のような作品でした。
アイルランドに昔から伝わる昔話、伝説をモチーフとしたこの作品には、様々な要素が深く入り込んでいます。
監督のトム・ムーア監督は32歳と若手の監督ですが、この作品は3カ国による共同制作映画で、アイルランド、フランス、ドイツで製作されたとの事。
日本での公開はこれから検討とのことでしたが、ムーア監督は、スタジオジブリの作品が好きとおっしゃっており、改めて日本アニメの影響力ふれた1日でした。
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そして翌日は、「クレヨンしんちゃん」などの制作で有名な原監督による映画「カラフル」の世界。
この公開講座は、申し込みが非常に多く大盛況でした。
原監督もファンの方とのふれあいやアニメ業界を目指す学生と会話できたことで非常に新鮮で楽しかったとうれしい感想を頂きました。
今後も原監督とそれを支えたアニメ制作会社のサンライズとの協力を一層図って生きたいと思います。
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そして、私が研究として行っているデジタル教育です。
非常に有名で何度もメディアで取り上げられている港区青山小学校の授業の見学をさせていただきました。
小学校5年生でしたが、この日はプレゼンテーションのための資料作成ということで
学生はタブレットを使って、絵を描き、もう一方の学生はパワーポイントを使って資料を作っている。小学生もこの段階でここまで出来るようになると大学での教育も間違いなく変わってきます。
今回はそれを大きく実感した1日でした。
対応頂いた校長の曽根先生もデジタル教育に熱心でぜひ、本学からのサポートいただきたいとありがたいお言葉を頂きました。
今後もこの小学校は、先進的な教育のモデル校として各種メディアに取り上げられるでしょう。
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そして、11月27日は、コンテンツツーリズム研究会。アニメ『らき☆すた』『けいおん!』などの舞台に大量のファンが訪れるという聖地巡礼。この出来事を観光学の視点から分析するというのがこの研究会の目的。その代表は北海道大学の山村先生。参加者のほぼ全員がコスプレで、山村先生もコスプレしており、普段着の私が浮き立ってしまう状況でした。
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アニメによる地域活性に改めて無限の可能性を感じた1日でした。
ということで、非常に濃厚な一週間でした。

 

2010/11/26

千葉県私学研修集会にご招待いただきました

みなさん、こんにちは。講師の栗谷幸助(くりやこうすけ)です。

昨日11月25日のこととなりますが、「千葉県私学研修集会 - 情報科研修会 -」に参加をさせていただきました。千葉県私学研修集会とは、千葉県下の私立高校の先生方が「教科に関する教員の研修を通じ、教員の資質の向上を図り、学習指導の強化・研究に資する」研修会です。

今回は、情報科の先生方の研修会ということで、本学・杉山学長による講演会と高校教諭による公開研究授業の大きく2部構成で実施され、ワタシは公開研究授業の講評を行なう助言指導者としてご招待をいただきました。

Entry06_01 杉山学長による講演「デジタルコンテンツ産業概論」は、コンピュータの歴史をひも解きながら、ワタシたちの環境にデジタルコンテンツがどのように浸透して来たのか、そしてどのような広がりをみせていくのかという「未来」を感じるお話です。ワタシ自身はこの講演を何度か拝聴させていただいているのですが、何度 伺っても そのたびに未来へのワクワク感を感じさせていただいています。高校の先生方も「1時間半(講演時間)がアッという間だった」「普段の授業では、(情報分野の)これまでと現在について学生に指導をしているが、今後は未来も語って行きたい」というような感想が寄せられていました。

そして 午後からは「情報A」と「情報と表現」という2つのクラスの公開研究授業。50分の授業を半分ずつ拝見させていただきました。

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「情報A」の授業は、情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識と技能を習得させる授業ということで、今回は 不正アクセス・情報セキュリティに関する知識を身につける座学と、パワーポイントのスライドマスタの使い方を学ぶ実技で構成されていました。

座学部分に関しては、プリント教材などを使用しテンポの良い語り口で、また最新の事例なども織り交ぜながらお話を進められていらっしゃいました。そして、授業中盤からは実技の授業へ。この「場面転換をする」ことで、学生の集中力を切らさない授業進行の上手さに大変感銘を覚えました。

続いて「情報と表現」の授業は、情報を適切に表現をする能力と態度を育てる授業ということで、今回は学校紹介をテーマに学生がパワーポイントデータを作成し、実際にプレゼンテーションを行なう内容となっていました。

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ワタシが教室に入った時には ちょうど男子学生がプレゼンテーションを行なっている最中だったのですが、まず感心させられたのがその学生が物怖じすることなく、快活にプレゼンテーションを行なっていたこと。指導されている先生が普段から「自分を表現すること」を強くおっしゃられているんだろうな、と感じました。

また、授業の冒頭にはプレゼンテーションに必要な3つのポイント「声の大きさ」「わかりやすさ」「メリハリ」を意識するように伝えていらっしゃったようで、生徒全員に配布した評価表は この3点のみを評価するような書式になっており、プレゼンテーションを行なう学生だけでなく、聞く側の学生にも3つのポイントがしっかりと意識できる授業構成になっており、こちらもクオリティの高い、とても素晴らしい授業だと思いました。

このような場に参加をさせていただくと、大切な思いでご指導いただいた学生をバトンタッチさせていただいているのだということをヒシヒシと感じます。ワタシたちは、しっかりとした下地を持った学生に対して、 未来を切り開く より高度な表現手法を伝えていかなければならないのだな、ということを改めて思う一日となりました。

2010/11/23

日本のアニメ会社とディズニー

こんにちは。教員の高橋です。
先週から今週にかけて、アニメ三昧の週でした。
さらに3大特別講義の第一弾が行われ、明日24日、明後日25日と連続で公開講義が行われます。
まずは、先週の報告から。

押井守作品や今人気のマンガ「君に届け」のアニメ制作でも有名な株式会社プロダクション・アイジーを訪問してきました。
株式会社プロダクション・アイジーは、以前国分寺で、数箇所にわたって多くの現場作業場を有していましたが、拠点の集約を図るため、三鷹に本社ビルと制作スタジオビル購入し、移転していました。
先日、ある交流会で久しぶりに石川社長と森下プロデューサーにお会いしてお話しする中で見学のご案内を頂き、今回の訪問となりました。場所は、三鷹から5分程度の好立地の場所で株式会社プロダクション・アイジーの本社と制作スタジオが隣同士という非常に良い環境です。
本社の一階は、カフェがあり、クリエイティブな環境に包まれていました。
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石川社長と森下プロデューサーとの会合で、本学とより一層協力関係を構築していきましょうと意気投合。有意義
な時間となりました。

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そして、翌日はガッチャマンなどの往年の名作アニメの制作で有名なタツノコプロダクションで活躍され、後年アメリカのディズニーで活躍された宮本さんが日本に一時帰国するということで動画演習の福井先生からご紹介頂き、特別講義を開催しました。
当日は、宮本さんのお弟子さんでアニメ業界で活躍するプロも多数参加し、非常にすばらしいポートフォリオと日本とアメリカのアニメの違いなどを講演頂き、会場は熱気に包まれました。講演が終わった後でも学生たちはポートフォリオから目を話さず、アニメ分野を志望する学生にとって非常に刺激となる、そして目標ともなる宮本さんの講義でした。

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そして、明日はアイルランドのトムムーア監督の公開講座と映画「カラフル」の原監督の公開講座と連続して続きます。
乞うご期待ください!

2010/11/19

講師の一週間(小倉イサク編)

こんにちは。小倉イサクです。
本日は、デジハリ講師の日常を書きましょう。先生の仕事って気になりません??気になった方は是非!!

Dh
月曜日
9:00~12:10;CG演習2(Mayaという3DCGソフトの演習です。今は、今学期の最終課題中)
午後;ランチタイムとジャンプタイム。僕は、30年間以上、欠かさず週間少年ジャンプを読んでます。コンテンツを知る勉強なんです!それと、夕方の授業準備ですね。
16:20~19:30;3年生のゼミと4年生のゼミ。就職の為の話やら、卒業制作の進捗など。

ClassRoom 火曜日
10:00~15:00;専門スクールの授業。こちらも、Mayaの実習で主に社会人向け。学生の平均年齢は25歳前後。就転職が目的なので本気度が高く、デジハリの主要作品が生まれます!
15:15~17:15;大学院カリキュラム検討委員会。授業内容やシステムなどを協議してます。
17:15~18:30;学長室会議。最近の活動を学長に報告したり、今後の予定を話し合ったり。
18:30~19:30;校友会案件。副会長として、メルマガに載る記事をインタビューされました。


Ntv


水曜日
10:00~15:00;専門スクールの授業。
18:00~19:00;日テレ「たけしとひとし」番組打合せ。OJTで制作に携わる事に!12/10の放送です!!お楽しみに。
20:00~21:30;大学教員会議。










木曜日
9:00~12:10;CG演習4。
13:00~15:00;R&D会議。デジハリの新部署で、新コース開発の為のカリキュラム考えてます。僕はオブザーバー的な役割でCG系以外にも様々な意見を聞いたり、言ったりする会議です。
15:30~18:00;ボーンデジタルセミナー。「プレデター」や「マチェーテ」のメイキングを堪能!!
18:00~19:30;CG概論(大学で講義)
20:45~22:15;デジタル表現手法(大学院生向けに、CGの実習!)。かなり、ヘトヘト、、。笑笑


Grad 金曜日
9:00~12:10;CG演習2。
午後:週で唯一のフリータイム!!授業の予習や今後の予定を考えたり、あらゆる事の進捗をチェックしたり。気になる映画はこの時間に観たりも。それと、定例ではない打合せもココに入れてますね。今週は八王子市から依頼されてる案件の進捗チェックかな?
20:45~22:15;大学院プロジェクト科目。森美術館×デジハリ×芝浦工大の共同でで映像制作!来春には皆さんをビックリさせます。





という感じです。授業と予習と会議とOJTがてんこ盛り。ですんで、ホントに体力勝負!!
インフルエンザが流行ってますが、みなさんも身体には気をつけてください〜。
イサク

2010/11/15

iPadで教育が変わる~中学・高等学校編~

こんにちは。教員の高橋です。
今回も新たな教育手法の研究に向けた活動の報告です。
先日、中学校・高等学校の一貫校である広尾学園を訪問してきました。
広尾学園は、地下鉄広尾駅から3分という最高のアクセスの良さです。

広尾学園は、2007年の学園長の就任から全校体制で改革を重ねてきた数々の学力UPプログラムと人間教育重視の伝統が、2010年さらにパワーアップしました。広尾学園は、共学の最高峰を目指しているようです。

その広尾学園でもデジタル端末を使った授業に興味があるということで、今回の訪問ということになりました。
対応いただいたのは、広報本部広報部長の金子教諭。
ぜひ、学力向上にデジタル端末をということで、本学で行っているデジタル教育や授業での実践活用する際のiPadの活用方法など様々な話をしてきました。

今、進学校の高等学校でも注目度が高いデジタル端末。
間違いなくipadは教育を変える勢いです。
今後のこの活動は、進捗があれば報告していきたいと思っています。

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2010/11/13

デジタルハリウッド校友会の総会が開催!

みなさん、こんにちは。講師の栗谷幸助(くりやこうすけ)です。

今日は、デジタルハリウッド校友会の総会が催されました。校友会とは、『卒業生と在校生との交流を通じて、デジタルコンテンツを新しい産業として拡げることに寄与し、もって社会貢献の一翼を担うことを目指す組織』(公式Webサイトより)です。

実は、ワタシはデジタルハリウッドの卒業生でもあるんですね。1999年に福岡校のWebデザイナー総合Proコース一期生として受講をし、卒業をしました。その後、講師として10年近くデジタルハリウッドと関わらせていただき、ありがたいことに、この春に校友会の理事を拝命させていただきました。そして、今回 校友会が発足して初めての総会の開催ということで、参加をさせていただいたという訳です。
会は、校友会の会長でもある杉山学長の挨拶からスタートし、来賓としてデジタルハリウッドの古賀代表取締役社長兼CEOのご祝辞、竹内校友会事務局長の活動報告と続きました。そして、目玉のひとつでもある「AR三兄弟」のみなさんをお迎えしての講演が開催されました。

Entry05_01 AR三兄弟(公式Webサイト)のみなさんは、プログラム・玩具・物語・テレビ・映画・ラジオ・音楽・自然現象など、ユニークな題材をマッシュアップすることで、メディアの可能性を拡張し続けている未来開発ユニットで、その活動は多方面で反響を呼び、やまだかつてないクリエイター像を【うっかり】築いていらっしゃるそうで(笑)、これまでの作品のご紹介はもちろん、その制作過程においての興味深いお話など、とても丁寧にお話いただきました。そして、最後にはサプライズ!欠席とアナウンスされていた長男さんが客席から登場し、スタッフはもちろん次男さん・三男さんもビックリの講演の締めと相成りました。

Entry05_02 そして、続いてはもうひとつの目玉である懇親会の開催。懇親会が目玉である理由は「横の繋がり作り」であると思っています。会の冒頭からのみなさんのお話や、講演の内容から感じられること、それはひとつのものを成し遂げて行く際の「デジタルを軸としたコミュニケーション」の重要性。それを作ることが出来るのが懇親会ということで、スクールや大学・大学院といった枠や、グラフィックやWeb、3DCGといったジャンルの枠を超えて、多くの在校生・卒業生とお話をすることが出来たことが、とても大きな財産となりました。

デジタルハリウッドが続いて行く限り、在校生・卒業生はこれからも増えていきます。それぞれの力が融合し、どんな未来が生まれて行くのか、とても楽しみです!

2010/11/11

エンタテインメント産業の巨大産業「カジノ」

こんにちは。教員の高橋です。
ついに立冬を向かえ、冬のモードに変わりましたね。しかしながら教員の研究に休みはありません。

私は、これまでブログで授業や公開講座など様々な情報を発信してきましたが今回は、今まで力を入れられていなかった分野の研究に注力するべく、先日交流の意味合いも含めてある方を伺って参りました。

私は、コンテンツ産業、いわゆるクリエイティブ産業について、大学で指導しております。このクリエイティブ産業は、国によって定義が異なり、日本、アメリカ、イギリスでも異なっており、しっかりとした統計調査がなされていません。

その中で、アメリカが誇る巨大産業「カジノ」の研究調査についに取り掛かりました。
元々、アメリカでは日本では分類されていないない「ショービジネス」や「プロスポーツビジネス」、「テーマパーク」などを総じてエンタテインメント産業と定義し、国が産業振興を行っています。

今回、研究調査と交流の意味合いで、日本カジノスクールの校長大岩根成悦さんにお会いし、日本におけるカジノの合法化の行方、日本における研究状況などを様々なことをお伺いしてきました。

元々大阪の大学では商学部において非常に熱心な先生がおり、長年にわたり、カジノを研究しているとのこと。また、ホスピタリティという面でも研究がなされ、色々な分野から様々な視点で研究対象になっているとの事です。
ぜひ、この出会いをきっかけに今後エンタテインメント産業における発展を共に行って行きましょうと意気投合し、前向きなお話が出来ました。

カジノスクールとは、今後別の形でご紹介する機会がある予定ですので、その際にはもう一歩踏み込んだ話が出来ると思います。要チェックしておいてください。

最後に、カジノは、「文化」です。

※左が日本カジノスクールの校長 大岩根成悦さん

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2010/11/05

大学授業風景「借りぐらしのアリエッティ」メイキングセミナー

こんにちは。講師の小倉イサクです。先日、スタジオジブリの映像部・CG班に所属している三好さん(スクールの卒業生です)をゲストに迎えての授業を大学で行いました!本日は、これの報告です。

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皆さん、スタジオジブリ最新作『借りぐらしのアリエッティ』(http://www.karigurashi.jp/index.html)をご覧になりましたか?実は、普通の人には分からない様に、何気な~く3DCGの技術を使っています。そこで、「スケジュール」「制作行程」「技術トピック」「心がけている事」に関して簡単にまとめましたのでご覧下さい。

02 スケジュール>
2DCG、3DCGのカットは約60カット。これをたったの3人で、昨年9月から今年の5月までで制作した。
メインの作業は、背景処理。レイアウトが出来上がった段階で、CGモデルで壁や床を作成しカメラを動かしてアニメーションさせ、尺を出して、監督からのオッケーをもらい制作に入る。

制作行程>
監督からの確認後、美術さんたちに『背景原図』というものを制作してもらう。背景原図が何かというと、これを使ってパーツごとに分解して、3Dにモデルデータにカメラマップする事(例:階段を上るシーンの背景原図から、左右の壁の、1つ1つのブロックの模様を切り出し、3Dモデルデータに貼っていく)。しかし、背景原図だけではどうにもならない場合は、モーフィングという手法を使って複数の原図をアニメーションさせる。また、キャラクターがライトを持っている場合も注意が必要で、それに合わせて明暗の異なる背景の絵をオーバーラップさせて絵を作る。3DCGが出来上がり後、Softimageでレンダリングをし、After Effectで調整をする。その後、撮影班(合成する部署)にデータを送って終了。

技術トピック>
背景原図などの手描き素材は、スキャナーではなく通常のカメラを使ってデジタイズする。これにより、空気感やノイズなどのアナログ的な雰囲気が出せる。
レンダリングするサイズは、1.2倍程度の大きさ。これによりカメラの揺れに対応出来る。
モーフィングに使うのが、elastic reality(http://www.youtube.com/watch?v=i1_e723fgJY)というソフトで、現状、スタジオジブリさんしか使用していないソフト。

素材を作る際に心がけている事>
使用目的を明確にする。
手描きでは出来ない表現を目指す。
作品の世界観を守る。

03 スタジオジブリさんが3DCGを初めて使ったのが「もののけ姫」(1997)です。それから10年以上が経過し、CGの技術が向上したのは言うまでもありません。しかし、変わらぬ考えがあるのではないでしょうか?それは、「CGをCGと感じさせない表現手法」です。ハリウッドの大作映画が、実写とCGの区別がつかないほどのクオリティーを発揮して久しいですが、ジブリさんもアニメの中に3DCGを使っても、それをCGと感じさせません。まさに、『作品の世界観を守る』につきるのでは?皆さんも作り手として是非、見習って欲しいですし、教える側もこの事を、念頭に置いて教壇に立ちたいものです。



最後に、ミッチャン(三好さん)ありがとう~。今度、また、ジブリに遊びに行きます!

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2010/11/01

大学院『プロデュース原論』最終授業

こんにちは。教員の高橋です。
突如発生した台風が前日に関東をわたり、直撃は避けながらも日曜の昼は曇り空の中、大学院での授業「プロデュース原論」は今回で最終回の授業でした。

最終回のゲストは、ローリングストーンズ、マイケル・ジャクソン、マドンナ、U2ら大物外タレからM・タイソン、NFL、NBAなど国際スポーツ興行の招聘交渉を手掛けてきた伝説的来日仕掛人で、ソニー執行役員米国本社エグゼクティブ・バイス・プレジデント、日本テレビ放送網国際局顧問、TBSメディア総研社長、東京ドーム取締役、国際テレビ・アカデミー財団理事、インディアナ大学テレコミュニケーション学部教授など、四半世紀に渡り世界を股にかけ、多岐多様な経歴を持つ、現在ワシントン州立大学メディア経営学教授、金沢工業大学虎ノ門大学教授と国際的に活躍されている北谷賢司先生をゲスト講師としてお迎えし、「国際市場で通用するコンテンツ・プロデューサーの資質と資格」というテーマで講演頂きました。

北谷先生と私は、私がぴあ総合研究所の研究員を努め、北谷先生はぴあの顧問という縁で繋がった間柄です。

北谷先生の話は、非常に斬新で国際的なプロデューサーでしか話すこと、知りうることの出来ない話が満載でした。

日本のコンテンツ産業が海外市場進出のために必要とするプロデューサーの要件として、英語能力に触れ、

①話せるだけでは不可であり、脚本、契約書が英語で読め、説明できなければ土俵に上れない、
②著作権等、知的財産権の知識を有すること基礎知識を相手と同レベルに
③最低限、特殊なソフト業界の会計の仕組みを理解できること
などを上げられました。

また、プロデューサーの要件の5つ目として最も重要な素質とは

①点と点を結びつける能力
②ユダヤ文化の把握
③業界同化能力の高さ
④配偶者の社交性らしく振舞える最低限の資金アクセス
⑤歴史、文化とトレンドの知識
⑥機転とジョークのノウハウ

など、ユダヤ文化の把握などはこれまでのプロデューサー本でもほとんど触れていなかった内容ですばらしく、院生も終始圧倒された講演でした。

北谷先生と私のやり取りでは、プロデューサーの要件を持ち合わせた人材は日本人では現在ほぼおらず、幼年時からの英才教育が必要なのではという議論にまで話は高まりました。
北谷先生は英才教育はある部分必要とおっしゃっており、日本では国際的な人材について特にコンテンツ分野に危機感が無いことに対しても危惧を感じられているようでした。

豊富かつ貴重な体験を基に、エンタテインメント・ビジネスの真髄に迫った濃厚な90分!

その後、最終授業ということで一部の院生と交流会。色々な話に花を咲かせました。
この半年、皆さんお疲れ様でした。
ただ、最終課題はこれからですのでくれぐれも忘れないように。

プロデューサーとは何者か?
この答えが各院生に備わったと信じて、この授業を終了したいと思います。

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2010/10/29

「いかにして伝えていくのか?」ということ

みなさん、こんにちは。講師の栗谷幸助(くりやこうすけ)です。

ワタシは 大学を始めとして、専門スクールやオンラインスクールで教鞭を取らせていただいています。講師業というのは、専門分野についての知識を深めていき、そして それを学生に対して単に提供をしていくことが主な業務のように思われがちです。もちろん、専門の科目を持った講師ですから、その部分は業務の大きなところを占める訳なのですが、現在の教育においては 伝えるべきものを「いかにして伝えていくのか?」という教育手法の部分に大きな注目が集まっています。

Entry04_01 それは、授業の進め方であり、身振り手振り・話し方であり、学生の理解の把握であり、そして使用される教材であると思います。幸いなことにワタシは、大学では 直接 生の学生を前に授業を行なう機会を持ち、専門スクールでは 映像教材の講師を務めさせていただき、また オンラインスクールでは インターネット回線を利用したライブ配信授業を担当させていただいています。そして、それぞれの状況下では 話し方ひとつをとっても大きく変わってきます。

例えば オンラインスクールでの授業では、受講生は基本的に1時間半ほどの間、PCの画面をじっと眺め続けながら受講をすることになります。リアルな教室での授業と違い、お互いの空気感を感じづらい状況にありますので、講師は やや大げさなくらいの抑揚をつけた話し方である必要がありますし(画面を通すことで ちょうど良くなります)、また 使用するスライドに記載する文字を あえて減らし、直接 授業中に手書きで記載をすることで、画面に動きを持たせ 授業に集中をさせるといったことを行なう必要があります。

また、使用する教材についてはどうでしょうか? 自学スタイルであるオンラインスクールの場合には、丁寧な解説がされた紙のテキストの方が最適であるかもしれませんし、通学スタイルである大学や専門スクールでは、講師の生の解説を聞きながら 分かりづらい部分を即時的に理解するために、検索性の高い電子書籍のテキストを利用することが適しているのかもしれません。

このような教育手法に関する様々な試行錯誤が、専任講師という立場では大きな業務としてある訳ですね。現在 進めているものの中には、まだ 現時点では発表できないものも多々ありますが、しかるべき機会に また このブログで随時 紹介できればと思っています。