みなさん、こんにちは。デジハリ講師の小倉いさくです。本日のブログは、昨年の12月に引き続き、上海音楽学院にやって来ましたのでその報告を。
今回は、Mayaのアニメーションを教える為にやって来ました。前回の授業とは異なり、PCを使っての実習です。環境はiMacが40台ほど1つの教室に置いてあり、MacOSとWin7が切り替えられるものでした。3DCGを行うために、Adobe製品やMayaなどがインストールされているのは、言うまでもありませんが、MacOSではFinalCutやShakeなどもありました。他にも、音楽学院ならではの音関係のソフトも入っている様でした。
また、今回はデジハリ卒業生の方の紹介で、セガ上海さんにも御邪魔して色々と話を聞いて来ました。実は上海ではIT系企業団地のような場所があり、そこの一角に入居していました。2002年から、会社があるそうですが2009年にこの場所に引っ越して来たそうです。場所と建物を国や市が用意して作るので、中国人を雇えば安く入居出来るシステムなのかもしれません。日本の様な「箱もの」(作る事に意義があり、その後は赤字の垂れ流し)とは違って、雇用を増やせると言う意味では良い政策の用な気がしますが、中々入居してくれる会社は増えない様です。
御会いしたセガの方が、「中国の人は想像力が足りない」と仰っていました。このブログを読んでいる日本の方は、想像力をシナリオや企画、ストーリーのオリジナリティーの事かと思うかもしれませんが、チョット違います。例えば、モデリングをしている時に、その物体はなぜその形や色になっているか?を考える!という意味での想像力です。また、上海の人に「山道を作って」と言っても、上海には山がないので何を作ったら良いのか分からないそうです。これも、チョット想像すれば分かりますよね?ですので、短い期間ですがこの様な事も、上海音楽学院の学生に伝えられればいいなぁ~と思いながら、明日からも授業してみます。因に、11日間の滞在中は、土日も関係なく毎日授業ですが、、、がんばりまーす!
イサク
PS.
ホテルのテレビは日本の放送局としてNHKが唯一見れますが、、、11日間ず~っとNHKだけというのも日本に居る時はあり得ない状況で笑ってしまいます。www
みなさん、こんにちは。デジハリ講師の小倉いさくです。今回は連続掲載です!
本日、デジハリ東京本校ではタイトルにあるイベントが開催されました(http://www.dhw.co.jp/pr/release/2012/02/06.html)。普段は、入学検討者の方や在校生向けのセミナーなんですが、今回は小学生向けという、いつもとは趣向を変えたイベントです。
実は、午前中に小学生が20名ほど集まり、なななんと、Mayaをやるというスゴい企画なんです!実際は、かなりの部分で登壇者の村上さん(映画「おかえり、はやぶさ」VFXスーパーバイザー)のmelデータを使用する事で「ひらがなが読めれば大丈夫」というMayaを用意してのワークショップで、しかもTAが10名以上いる状態だったので、全員がプレビジュを完成させる事が出来ました。しかも、S3D用の設定での作品なので、完成した映像を1Fセミナールームの大画面でアナグリフ形式の立体映像として上映しました。『おぉ~』という歓声あり、拍手ありでなかなかの好評でした。
また午後は、今回の映画プロジェクトを制作行程に沿って説明するメイキングセミナーでした。スケジュールから始まって、合成に至るまでの様子を、(前述の)村上さんと戸田さん(映画「おかえり、はやぶさ」VFXプロデューサー)が分かりやすく解説していただきました。特に、レイアウトする際の左右の違いは、今、まさに作品を制作している本学の学生にとっては印象的だったのではないでしょうか?
というわけで、村上さん、戸田さん、ありがとうございました!!
イサク
みなさん、こんにちは。デジハリ講師の小倉いさくです。
青山にフロムハンド(http://www.fromhand.co.jp/)というメイクアップを学ぶ学校があります。そこの小林照子校長と、本学の杉山学長が親交がありまして、そのご縁からフロムハンドライブ(卒業制作展)を本校の大学生が撮影しDVDにするというプロジェクトが動いています。ゆくゆくは、本学の学生が制作する映画やドラマなどに出演される役者さんを、フロムハンドの学生さんがメイクするという合同制作が出来れば良いかなと考えていますが、先ずは、協力の一環としてのDVD制作です。
というわけで、今回、初の卒業制作展に参加させて頂いたのですが、実際に行われるのは「ファッションショー」で学生さん達がモデルさんをメイクしウォーキングするというパフォーマンスです。で、、、実は嬉しいお知らせがあります。写真左に映っているのは最優秀賞の吉田莉奈さんですが、彼女はデジタルハリウッド大学をご卒業された後、フロムハンドに入学されたという経歴の持ち主なのです!!
本学の卒業生が、このような表彰をされるのは、非常に嬉しいコトですね~(因に、モデルさんは在校生です!)。
イサク
みなさん、こんにちは。デジハリ講師の小倉いさくです。本日は、プチ宣伝を。
BS-TBSで放送されている番組『ショートストーリーズ』をご存知ですか?この1月から始まった新番組で、毎週火曜日の22時~放送されています。総合司会は小林麻耶さん、ショート・フィルム・プレゼンターは別所哲也さんでお届けしているショートフィルムの番組です。
実は、今週の火曜(1/24)と来週の火曜(1/30)の放送では、僕がゲストとして出演しますのでお時間あれば観て下さい!という宣伝です。www
出演するから宣伝するというわけではないのですが、、、このブログをご覧になるかたは、少なくともコンテンツに興味がある方だと思います。しかし、映画やテレビ、DVDやBDで映像は見るという方も「ショートストーリー」に興味がある方は少ないのでは???実は、今年もアカデミー賞の季節到来ですが、その中に「ショートフィルム」という部門があるほど、欧米では一般的なのです。ですので、興味があるけど知らなかった方や、CGでショートフルムを制作している方等は、是非、この番組をご覧ください。過去のアカデミー賞受賞作等も紹介されますよ!
いさく
みなさん、あけましておめでとうございます。講師の小倉イサクです。今年、最初のブログは僕が勝手気ままに選んだ本年注目映画をいくつか紹介します。是非、映画館へ足を運んでみてはいかがでしょうか??因に星の数は、5個満点の期待度です!
先ずは、洋画部門のご紹介。多種多様ですね~。
パラマウント ピクチャーズ
・長靴をはいたネコ(http://www.naganeko.jp/)★★★
こちら、シュレックシリーズのスピンオフ映画です。春休みに、可愛らしいあのネコの「おねだり顔」をもう一度観たいですし、この春一押しのCGアニメーションです。単純に、楽しみましょう~!長靴の理由が分かるかも?!
・ヒューゴの不思議な発明(http://www.hugo-movie.jp/)★★★★★
『映画』が好き!という方には是非おススメですし、映画人という方は観なければいけない作品です。タイトルではファンタジー要素いっぱいの子供向けに感じるかもしれませんが、むしろ、大人が楽しみ感動する、という部類です。この春で一番のおススメ作品ですよ~!この映画を観れば、貴方の心の扉の鍵も開くでしょう。
ソニーピクチャーズ
・ドラゴンタトゥーの女(http://www.dragontattoo.jp/)★★★★
過去にも映画化があり、原作も大ヒットしています。今回はデビッドフィンチャー監督がセブンの様な作品を制作したと思えば、どんな作品か?分かっていただけるでしょうか?予告の音楽と、細かなカット割りがその雰囲気をかもし出してますよね。
・アメイジングスパイダーマン(http://www.amazing-spiderman.jp/)★★
ご存知、スパイダーマンの新作です。というよりも、リメイクと言った方が良いでしょう。内容を知っている分、演出やCG技術の進化を前回と比べればより一層楽しめるのではないでしょうか?
20世紀フォックス
・スターウォーズエピソードⅠ3D(http://www.youtube.com/starwars)★★★
僕は、スターウォーズの大ファンです。紹介しないわけにはいきません!!立体視なので映画館ならではの楽しみです。あの戦闘シーンやレースシーンがどのような映像になるのかが楽しみです。
・ファミリーツリー(http://movies.foxjapan.com/familytree/trailer.html)★★★★
主演はジョージクルーニーでアカデミー賞の候補作品で、甘辛いファミリー・ドラマです。日本では、同じ様なジャンルとして「家政婦のミタ」が流行りましたが、映画でもこの手のテーマは流行るのでしょうか?そういう意味でも期待が膨らみます。
ワーナー
・ダークナイト ライジング(http://wwws.warnerbros.co.jp/batman3/)★★★★★
いよいよ、シリーズのラストです。今までのヒーローものを一新した本シリーズの最終作なので注目ですよね。一体、どんな終劇を迎えるのか?興味は尽きません。
・シャーロックホームズ シャドーゲーム
(http://html5.warnerbros.com/jp/sherlockholmes2/teaser/)★★★
こちらもシリーズ物。アメリカでは公開初週にMIGPを抜いての興行収入でした(とはいっても、MIGPはIMAX限定公開だったのですが)。いよいよ、本格的にホームズvsモリアーティが観れるのでしょうか?早く観たい!
ディズニー
・メリダと恐ろしの森(http://www.disney.co.jp/movies/merida/)★★★★
ご存知、ピクサーの最新作。ToyStoryやCarsの様な続きモノではない、新作モノ。原題が『Brave』なので、少女が主人公とはいえ、冒険ファンタジー色の濃い作品でしょう。因に、日本語版の予告ではナレーションに「風邪の谷のナウシカ」の大ババ様の声をやられた京田尚子さんです。すっごく、映像と合ってますよね~。
・アベンジャーズ(http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/)★★★
ヒーロー集まれ~!系です。www。歴代のマーベルヒーロー(アイアンマン、キャプテンアメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ)が登場しますので、今のうちに『アイアンマン2』『キャプテンアメリカ』『マイティー・ソー』『インクレディブル・ハルク』を予習しておきましょう。
次は邦画です。色々と紹介したいのですが、監督という視点で3つほど紹介します。
東宝
・ロボジー [矢口史靖監督](http://www.robo-g.jp/index.html) ★★★★
直近では、この作品が最初に公開(1/14)されます。スイングガールやウォーターボーイ、ハッピーフライトなどの作品の大ファンなので僕は必見です。皆さんも、「この監督だから観に行こう!」という方を宮崎駿監督以外にも見つけると、映画が面白くなりますよ。
東映
・愛と誠[三池崇史監督](http://aiandmakoto.jp/)★★★
昭和の匂いがプンプンする作品名ですが、その通りです。原作は梶原一騎さんで、1973年から1976年にかけて連載されていた漫画です。今回は三池監督が、主演の武井咲さんと妻夫木聡をどう料理するのか?旬の俳優さん達を観に行きましょう。
松竹
・天地明察[滝田洋二郎監督](http://www.tenchi-meisatsu.jp/index.html)★★★★
「おくりびと」受賞後、滝田監督の初メガホンです。時は江戸時代前期、それまでの「暦」の誤りを正し「日本独自の暦」を作る為の改暦事業をなし得た主人公の物語です。毎年、邦画では時代劇が映画になりますが、今年のおススメはこれですね。楽しみです!
というわけで、2012年も楽しみですね~。ホント、映画っていいですね。
PS
・エヴァンゲリヲン新劇場版:Q[庵野秀明監督](http://evangelion.co.jp/)★★★★★★
来ましたね~。いよいよです。前編の「序」、中編の「破」に続く後編の「Q」は今年の秋に公開予定!しかも、来年には完結編「?」も決定と、いよいよフィナーレに向かって行くようですね。いやはや、鳥肌ものですよ。僕にとって!!
イサク
みなさん、こんにちは。講師の小倉イサクです。実は、デジハリでセミナーをやってもうのは2回目という稲垣さんが来日していたので、約2年ぶりのセミナーをしていただきました。海外で働く為の方法や、現在のお仕事の内容等の興味深い話を、来れなかった皆さんに御伝えします。
彼は、某大学の情報科の大学院卒のプログラマーでしたが、学生時代にLightwaveに興味を持ったコトがきっかけで、デジタルハリウッドに入学しました。卒業後は、僕が紹介したフリーの仕事を数年続けつつ、海外にも興味があったので英語の勉強をしながら、虎視眈々とその機会を狙っていたそうです。しかし、日本で実績があってもビザの問題で直ぐにハリウッドで働ける訳でもないので、先ずは北米のCGの学校を探しました。SIGGRAPHにも何回か足を運んでみたり、サイトで調べたりした結果Savannah College of Art and Designという学校に入学されました。この学校はジョージア州という日本人があまり居ない場所にあったせいもあり、英語の技術が磨かれたそうです。また、彼は在学中にリグ(キャラクターに骨を埋めて動かしやすくする技術)に興味を持ったので、元々持っていたプログラミングの技術を生かし、その専門家になったそうです。その後、Dreamworksからリグの専門家がインターンを募集しに来ていた縁もあって、今の仕事に就いたとおっしゃっていました。
後半は、Dreamworksの話をしてもらいました。今、5~6本の映画の制作が同時進行で走っているそうです。その中で、彼の仕事のリグという作業は映画制作の最初の方になります。というのも、制作行程ではキャラクターのデザインが決まって、モデリングが終わったら行う仕事だからです。ですから、かなり先に公開する映画の仕事をされているそうです。直近でさえも、『長靴をはいたネコ』のDVD&BDの特典映像の中のキャラクターにリグを仕込んだ仕事なので、日本では2012年の秋くらいでしょうか?また、彼の仕事はキャラクターモデラーとのやりとり(動かしたい部分にポリゴンが足りない時には、モデリングの修正依頼)や、アニメーターとのやりとり(アニメーターが動かす時に、別の設定が必要な場合の依頼等)があるそうです。それと、Dreamworksでは1体のキャラクターに3人の方(髪の毛や衣類等の設定をするスタッフ、表情の設定をするスタッフ、体全体の設定をするスタッフ)が設定するというのも、特徴だと思います。分業制が、非常に浸透しているという事ですね。来年も年明け早々からお忙しいとのコトでしたが、頑張っていただきたいです。来年のSiggraphはLAなので、再会を約束して終わりになりました。
最後に、今週末のクリスマス記念として大じゃんけん大会を行いました。稲垣さんが、こんなにもお土産を持ってきていただいたのです!!LAのDreamworksでしか買えない物ばかり!ありがとうございました。
イサク
PS
『家政婦のミタ』を観ましたか?驚愕の40%越えという最終回の視聴率は圧巻でしたね。テレビを見ない時代と言われていたご時世に、この数字をたたき出した本作品に敬意を評したいです。また、この数値を見てテレビドラマの可能性を感じて良い物を制作しようとするのか?あくまでも例外として、今まで通りのやり方(アイドルや人気者を主役に置いたり、原作が売れてるからドラマにするといった悪癖)でいくのか?は、2012年のドラマを観て行く上で重要なポイントになりそうですね。
みなさん、こんにちは。講師の小倉イサクです。今回は、先週に授業を行った上海音楽学院での講義の模様をお伝えします。
ご存知の方も、いらっしゃるかと思いますが本学は上海音楽学院と共同して合作学部を設立しました。 具体的には、定期的に本学の教員が上海で教壇に立って授業を行うというものです。その1番手として、学長が授業を行ったのですが、私はその二人目として行ってきました。毎日3時間の集中講義を月~金の5日間、CGと映像の制作行程を事例を通じて説明するという授業です。学生は全員、1年生です。MayaやPhotoshop,Illustratorを行うのは本学と同じですが、さすが音楽院と名のつくだけあって、必修授業でピアノやバイオリンの授業も行うという、かなりハードな授業日程です。日本の場合、大学生になると授業を自分で選択していって、決めるものですが、中国は違います。ほとんどが、必修です。つまり、Mayaをやって、ピアノを弾いて、胡錦濤や毛沢東の思想授業を受けるという学科です!(しかも、しかも、朝の8時から1限目が始まる!)。
ちなみに、僕の授業での課題は、ショートストーリーの企画書を書いてくださいというグループワークでした。いくら、技術の基礎を磨いても発想力やクリエイティブ力はどうなのか?とも思いましたが、これがなかなかに面白く分かりやすい企画を発表したことに、さらに驚き!です。
というわけで、すごいでしょ??裏を返せば、それほどまでに「コンテンツを教えたい」という現れだと思います。又、これらを吸収する頭脳と、子供の頃から(インターネットで)のアニメを見る環境で育つと、どんな大人が出来ていくのか?ある意味、日本に取って脅威になるかもしれません。中国が、このような政策で人材を育てていくとなると10年後にはとんでもないコトが起きそうな予感です!日本人の学生も頑張ってほしいです!!
イサク
PS
上海ガニ、小籠包、、、おいしく頂きました。ハウチーლ(´∀`ლ)
みなさん、こんにちは。講師の小倉イサクです。今回は、デジタルハリウッド卒業生でもあり、現在は「シュレック」「カンフーパンダ」の制作でお馴染みのアニメーションスタジオ「ドリームワークス」で働く原島さんのセミナーに関してです。会場に足を運べなかった方も、いらっしゃった方も、ご一読を!!
今週の月曜日に、お忙しい合間をぬって来校してもらった原島さんはドリームワークスでアニメーターをされています。1997年にデジハリに入学しCGを勉強され、1999年のSIGGRAPH Electoronic Theaterに入選するという快挙を成しとげました。本学を卒業して、しばらくしてから渡米、現地の美術系大学院に入学しました。そこではPIXARの現役クリエイターが直接指導するクラスを受講し、無事そこでも卒業した後、現在の会社(ドリームワークス)で働くようになりました。今まで関わった映画は『ビームービー』『マダガスカル』『ヒックとドラゴン』『メガマインド』です。現在は、来年公開予定の『マダガスカル3』を制作中とのことでした。
先ず、最初はドリームワークスで働くまでの道のりを話してもらいました。9.11があった直後に渡米した事、ビザの問題、アニメーションの基礎をアメリカの大学院で勉強しなおした事、お金の事、英語の事、、、と様々な苦労をされたそうです。それでも、自分のやりたい事を貫いた結果、世界に配給する映画の制作に携われるようになったのは本当にスゴいですし、脱帽です。。。次にアメリカでの仕事のスタイル話です。基本、1人で1ショット単位でアニメーションを任されるそうです。それを朝と夕方に、リードの人や監督にアニメーションのチェックをしてもらい仕事を進めるとのこと。(群衆は別の方々が行うそうですが)もしもそのショットに複数のキャラが出てきたら、全員分のアニメをつけます。ちょっと面白かったのは、『ヒックとドラゴン』の話でした。ドラゴンを動かす為のリグ(キャラを動かすパラメーター)が200以上もあったらしいです。ドリームワークスでは、この様な特殊なキャラの場合はリグの説明会(セミナーの様なもの)が行われてから作業に入るそうです。ところが、原島さんの場合、それまで人間型のキャラばかり動かしていたので、急にドラゴンが登場するショットを与えられて『(セミナーは数ヶ月も前だったので)うわぁ~、動かし方を忘れちゃったよ!www』ということがあったそうです。実は、この講演の後に原島さんがアニメーションを着けた箇所を細かく見せてもらったのですが、非常に面白かったです。
最後に、学生の方々に向けてアドバイスを頂きました。『アニメーターになるとか、CGの制作をするというのは目先の目標です。もっと、もっと先の目標を設定し、その為にはどうするかを考えるようにして下さい』との事でした。現状、日本では就職が大変ということをひしひしと感じている学生の皆さんにとっては目の前の就職でいっぱいいっぱいです。実はそうではなく、その先を考えて!と言われて、目から鱗が落ちた学生も多々いたのでは?又、聴講していた学生の皆さんの中には、将来ハリウッドで働きたいと考えている人もいた様で、原島さんの話を自身に置き換えて『一筋縄ではいかない』事を痛感したけれど、それ以上に自分のやりたい事を求める大切さというのも感じたのかなと思います。
イサク
PS
先週、聖学院高校にて模擬授業を行いました。引っ込み思案の生徒が多そうな予想でしたが、皆さんがちゃんと質問に受け答えしてくれるので、非常に楽しい授業でした。
みなさん、こんにちは。講師の小倉イサクです。今回は、VFX-Japan共催セミナー『北米VFX動向』と『海外就職セミナー』を開催しましたのでその報告を。長文ですが、興味のある方に取っては、「かなり重要な情報」ですので、是非ご覧下さいませ(写真は左:溝口さん、右:鍋さん)。
映画における北米三大都市を御存知ですか?L.A,N.Y,Toronto,Vancouverです。その中でも、最も盛んな都市であるL.Aの動向を紹介しましょう。
・不況とはいえ、318億ドルの興行収入
・中堅スタジオの閉鎖も一段落
・夏はスロー、秋から活発化
・ILMがLAに新スタジオ(Cowboy&Alian制作の為)
・Jキャメロンが、新スタジオ制作(アバター続編制作の為)
・S3D(立体視)の技術は一段落。次は48-60fps
という感じです。アメリカ経済は苦境だとか、ギリシャの経済危機だとか、日本でもTPP問題等と経済の話題はことかきませんが、とりあえず北米の映画業界での不況は一段落といったところでしょうか?今年も様々なVFX映画があって、来年以降の公開に向けて様々な制作が走っている様子です。いち映画ファンとしては、アバターの続編に興味がわく所ですが、現地の方に取っては新スタジオ設立が、大きなニュースらしいです。
続きまして、日本の話です。北米にはアカデミーの視覚効果賞というものがありますし、VES(Visual Effect Society)という団体もあります。VFXに携わる方が会員となり各種セミナーの開催やフリーの方に保険などの福利厚生を用意したり、優れた作品に対して賞を授与したりと様々な活動をされている団体です。しかし、日本にはその様な団体はありませんし、日本アカデミー賞にも視覚効果部門すらありません。。。そこで、VFX-Japanという団体を設立して、様々な事をしていきましょうという事です。詳細はサイトを是非、ご覧頂ければと思いますが、「好きだからCG作って飯喰います」ではなく、立派な職業として認知してもらい、活躍の場を広げて「安心して働く」道筋を作ろうとしているので、今後の動向をチェックして下さい。
次は、鍋潤太郎さんと溝口稔和さんによる海外就職セミナーです。
ハリウッドの制作会社が行うスタッフの募集時期は、作品の制作期間に応じてなので、日本のように4月からの定期採用ではありません。又、作品は郵送ではなくオンライン応募が多いそうです(各社によって異なります)。尚、作品のデモリールは『2~3分以内で収めて、専門分野に特化し、完成度の高い作品から入れて、リールの最後に連絡先を必ず入れる、ブレイクダウン(使用したソフト、技術的な解説、どこを担当したのか、学生の場合は製作期間も)は必須』という事です。履歴書(レジメ/Resume)は『1~2ページにまとめる、写真・年齢・性別・国籍は不要、経験や学歴は上から新しい順番で記入、何のポジションを希望していて、何のソフトウェアの専門家なのか明記、シンプルなフォント、メールアドレスなどの連絡先』を書いてください。因に、時給はエントリー(初心者)15ドル、インターミディエイト(中級)35ドル、シニア(上級)50ドルが一例です。その他に、就労ビザの事など、もっと知りたい方はこちらのDVDや書籍をご購入下さい。
最後にゲストスピーカーにSony Pictures ImageworksでNukeを使ったコンポジッターをされている細見さんが、お話をしてくださいました。
細見さんは、日本の大学(英文科)を卒業後に4年間、普通の会社で働きお金を貯めた後、アメリカの大学へ留学したそうです。2年の勉学で準学士の資格を得た後に、いざ就職!と思い活動したそうですがネットで会社を探して50社以上にレジメやデモリールを送ってもエントリーレベルでは、全くダメだったそうです。そこで、今度はSiggraph,VES,AnimationFestivalのボランティアを行い、会った方々に名刺交換をしまくって、メールを送りまくり、ようやくSPIに入ったそうです。現在は希望のお仕事をされていますが、常にビザの事を考える必要があるのは辛いとのこと。。。しかし、それを上回る点として担当ショットが世界中の映画館で公開されるのは至極の幸せだそうです。何れにしろ、日本人にとって、英語の事、ビザの事、技術の事、、、様々なハンディがありますが「諦めないこと」が重要だそうです。これを読んでいる皆さん!メチャクチャ大変ですが、希望と夢を持ってガンバッテ下さい!!
いさく
PS.
2011年度のアカデミー賞・長編アニメーション部門にエントリーした作品が、いくつか分かったので紹介します。
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』,『アロイス・ネベル(原題) / Alois Nebel』,『アーサー・クリスマスの大冒険』,『カーズ2』,『ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊』,『カンフー・パンダ2』,『長ぐつをはいたネコ』,『ランゴ』,『スマーフ』,『くまのプーさん』
日本ではまだ公開されていない作品も多々ありますが、前評判が高いのはスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』のようです。要チェックですね。
デジタルハリウッド大学 准教授
浙江大学コンテンツビジネス研究所 客員教授
映像製作会社にてCM、PV、TVなどの製作従事しつつ、教員業を兼務。また、大学院ではメディア・コンテンツ人材育成の研究を行 う。その後、教育機関にデジタルクリエイターの育成を邁進、統括業務を行う。同時に大学及び研究所にてメディア・コンテンツ分野の研究員として活動。特に メディア研究や映画やアニメなどコンテンツ分野で著書も発行。さらにコンテンツ人材のコンピテンシーや教育史に着目し、論文も多数執筆。そして、中国浙江 大学のコンテンツビジネス研究所研究員も兼務。現在は大学のカリキュラムディレクターとして、教育の質の向上に努めている。
デジタルハリウッド 専任講師
デジタルハリウッド大学・大学院 准教授
千葉工業大学 工学部電気工学科卒業、デジタルハリウッド研究所研究生として、eAT KANAZAWAにて特別賞受賞 退所後、フリーのCGデザイナーとして活躍。「劇場版銀河鉄道999」、ゲームソフト「デッド オアアライブ」ライブビデオ・DVD「ウラスマ」(スマップ)TV番組「鉄腕DASH」などのCG担当やその他CMのCGなど多数手掛けている。また、デジタルハリウッド専任講師として人材の育成にも注力している。
デジタルハリウッド大学専任講師
デジハリ・オンラインスクール 専任講師
Webデザイナー
福岡県生まれ。中央大学卒業後、流通業に就くが、その際に「人と人とを繋ぐ」という『道具』としてのWebの魅力に触れWeb業界 へ転進。Webデザインユニットの代表として、SOHOでWebの企画・デザイン・サイト運営等を手掛けながら、各地でWeb関連の講師を担当。その後、 デジタルハリウッドに所属し、現在に至る。また、共著として『グラフィックデザイン Illustrator & Photoshop』『Webデザイン Illustrator & Photoshop』『Webデザイン HTML & Dreamweaver』『Webデザイン Flash』(全て 技術評論社)を執筆。
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